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2023年03月21日

活動

【鈴木知事より】基本政策・公約発表について

【はじめに】

私は、3月21日の記者会見で公約となる「基本政策」の詳細を発表しました。

2019年の初当選以来、全道179市町村を訪問し、地域の皆さまのお声を聞こうと努めてまいりました。
この4年間、知事として最も対応に追われたのは新型コロナウイルスの感染対策です。「道民の皆さまの命と暮らしを守る」という決意で、最優先に取り組んできました。

ただ、私が力を注いできたのはコロナ対応だけではありません。

道産食品の輸出額1500億円という目標は、予定より1年前倒しで達成する見込みとなりました。

また、コロナ前に比べ、首都圏から道内に本社移転した企業の増加数は、北海道が全国で1位となりました。

今年2月には、次世代半導体の国産化をめざすRapidus(ラピダス)」社が、新工場の建設予定地を北海道千歳市に決定。北海道として過去最大の投資規模となる歴史的プロジェクトですが、私自身もラピダス社の社長へのトップセールスを行うなど、誘致を積極的に働きかけてきました。

いま、コロナ感染症に加え、ロシアによるウクライナ侵略や エネルギー価格の高騰など、北海道を取り巻く環境は激変し、道民の皆さまの暮らしにも大きな影響が及んでいます。

「ピンチをチャンスに」。こうした思いを胸に、いまこそ北海道のポテンシャルを最大限発揮し、北海道の価値を押し上げていくため、果敢に挑戦していかなければならない。私はそう考えています。

これまでの取り組みに加え、新たな課題にも挑戦し、北海道をさらに前に進めていきたい。ここでは知事2期目に挑むにあたり、今回発表させていただいた基本政策の中から、主なものとして「七つの政策」をお伝えし、引き続き道民の皆さまとともに歩んでまいりたいと考えております。



【基本政策の主なもの】

①暮らしと経済

知事として最も重要な仕事は、道民の皆さまの命と暮らしを守り抜くことです。
昨年7月以降、エネルギー、原材料、食料等安定供給、そして中小企業や生活に困窮する皆さまへの支援に総額1376億円を措置し、緊急経済対策を切れ目なく実施してきました。

しかし、価格高騰の影響は長期化しています。道民の皆さまの生活や事業者の方々の経営環境が一層厳しくなることが懸念されます。そのため、道民の生活の安定と足腰の強い地域経済の構築に向けて、さらに切れ目なく取り組んでいくことが重要です。

物価高騰の影響緩和、子育て世帯への支援、需要喚起や経営力強化など、今後も支援を必要とする方々の声を受け止め、機動的にしっかりと対策を講じていきます。

道民の皆さまの命を守るため、巨大地震をはじめとした災害への備えを強化し、暮らしを支える基盤をつくっていきます。日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震への備えとして、市町の避難施設の整備等を促進するため道独自の財政支援を行います。

コロナの感染症法上の位置づけの5類移行に向け、医療提供体制の整備などに万全を期します。そして、新たな感染症を見据え、司令塔機能を強化するなど柔軟で機動的に対応できる体制を整備します。

医療や福祉人材はもとより、農林水産業や建設業、運輸業、観光業などの人手不足に直面する分野の人材を確保するとともに、デジタルなどの専門人材の育成やスタートアップに挑戦する環境づくりなど北海道の未来を支える人づくりを推進します。


子ども応援社会

これまでも限られた財源の中で、妊娠・出産に対する助成や多子世帯の保育料負担の軽減など独自の子育て支援策に取り組んできました。また、ユース世代の意見を反映するユースプランナー制度の創設や、ヤングケアラーへの支援など、幅広い観点から切れ目なく取組を進めてきました。

しかし、子ども関連政策の強化は、一刻の猶予も許さない極めて重要な問題です。結婚、出産から子育てに至るまでの支援を充実し、社会全体で子育てを支える「子ども応援社会」の実現に取り組んでいきます。

そのため、子ども政策を一元的に推進する道の体制を強化し、国の政策の活用、そして市町村の政策との連携を図りながら、経済的負担の軽減に取り組むとともに、未就園児保育の支援の充実をはじめ、道営住宅を活用した子育て世帯に対する支援、さらには市町村の子ども政策に対する支援を行うなど、道の政策を総動員して取り組んでいきます。

不妊治療や妊産婦への支援の充実などにも取り組みます。


エネルギー

温室効果ガスの実質排出ゼロをめざす「ゼロカーボン北海道」を掲げ、2030年度は国を上回る48%の削減目標を設定して取り組んできました。エネルギー安全保障の重要性が高まる中、こうした取り組みをさらに加速し、ゼロカーボン北海道を担う産業を振興することで環境と経済の好循環を創出していきます。そのため、新たな基金を設置し、中長期的な視点で地域づくりや人材の育成などに取り組みます

また、本道が高いポテンシャルを持つ洋上風力の整備に向けた取り組みも加速します。道内での促進区域や基地港湾の指定を目指した取り組みを進めるとともに、太陽光や風力由来の「グリーン水素」や、二酸化炭素を地中に埋めたり再利用したりする「CCUS」などの新たな技術や、地域の再生可能エネルギーを活用し、ゼロカーボン北海道を担う産業の振興を図っていきます。

温室効果ガスの吸収源対策については、広大な道有林において二酸化炭素の吸収量を国が認証する「Jクレジット」創出事業を新たにスタートさせたところです。

今後は、森林に加え、藻場など海の生態系を活用して二酸化炭素の吸収量を増やす「ブルーカーボン」の推進
さらに
農地の活用の検討に取り組むなど、圧倒的なスケールを有する本道の吸収源対策を進めていきます

洋上風力をはじめ、再エネポテンシャルの活用に向けて不可欠となる海底送電ケーブルについては、昨年12月に道内電力需要の4割に相当する200万kw分が2030年度を目指して整備する方針が決まりました。今後は、着実な整備の促進に取り組んでいきます。


デジタル

これまで、私みずからのトップセールスも進めながら、本道の優位性を積極的にアピールしてきました。

ラピダス社の次世代半導体の製造工場、再生可能エネルギーを活用したデータセンターの誘致を実現するとともに、全国初の積雪寒冷条件下でのドローン実証実験を実施するなど新たなチャレンジに積極的に取り組んできました。
2期目においても、こうしたチャレンジをさらに加速していきます。

次世代半導体は、我が国の経済安全保障にも貢献し、世界のイノベーションの鍵となるものです。製造に加え、研究や人材育成等が一体となった複合拠点の整備に向けて、3月8日に立ち上げた推進本部や4月に庁内に新たに設置する次世代半導体戦略室など、オール北海道の支援体制を構築し、迅速かつ強力に取り組んでいきます

また、複合拠点を核とした関連産業の振興道内企業の取引参入の促進デジタル人材拠点の形成に向けた取り組みを推進するとともに、再生可能エネルギーを活用したデータセンターを誘致し、「北海道データセンターパーク」の創出に取り組むなど本道へのデジタル産業の集積を図っていきます。

さらに、未来技術関連のワンストップ窓口を新たに設置。本道をテストフィールドとした先駆的な実証実験が行われるよう支援するとともに、空飛ぶクルマの活用可能性の検討や農林水産業や物流、防災など、「ドローンフィールド北海道」として多様な分野でのドローンの実装を進めていきます。


これまで、小麦の作付拡大や飼料生産の支援など緊急経済対策に取り組んできました。北海道は、我が国最大の食料供給地域です。食料安全保障をリードして我が国に貢献し、道産食品の道外、海外への販路拡大を加速させていきます。

一次産業の振興では、北海道のポテンシャルを活かし、食料自給率に占める本道の割合を2030年度までに、30%に向上することを目指し、農林水産業の持続発展、とりわけ酪農をはじめ厳しい状況に直面する生産者への支援に向けて取り組むとともに、輸入依存穀物や自給飼料の生産拡大、栽培漁業の拡大などにも取り組んでいきます。

食の輸出は、1年前倒しで1500億円の目標額を達成する見込みとなりました。新たな輸出拡大戦略を策定し、品目の拡大や新たな販路の開拓、輸出体制の構築を促進するなど、更なる拡大に向けて取り組みます。

また、過去最高の売上を更新した「どさんこプラザ」は、この4年間で新たに7店舗を出店。一昨年には初めて関西に進出し、国内外あわせて17店舗となりました。

今後は、さらなる全国展開に戦略的に取り組み国内の販路拡大を図るとともに、海外店舗も含めて国内外における情報発信やマーケティング拠点として機能を強化していきます。


観光

北海道の観光業は、コロナ禍で大きな影響を受けました。
一方、道独自の観光振興策「どうみん割」は道民の2人に1人がご利用いただいた計算です。2022年の道内宿泊者数は3000万人を超え、東京都に次いで全国2位の実績となり、観光需要を下支えしました。

いまこそ、世界的な需要回復の波を確実に捉え、復活から飛躍に向けて取り組みを加速していくときです。そのため、「HOKKAIDO LOVE!割」による需要の喚起をはじめ、アジアはもとより欧米市場の開拓など、私みずからも汗をかく積極的なトップセールスを展開し、外国人観光客の戦略的な誘客活動に取り組みます。

特に、今年9月、体験型観光の国際イベント「アドベンチャートラベル・ワールドサミット(ATWS)」が、アジアで初めて北海道でリアル開催されます。アドベンチャートラベル(AT)は、欧米を中心に70兆円を超える市場規模です。

サミットを契機として、多彩なコンテンツの磨き上げや質の高いガイドの育成などに取り組み、アドベンチャートラベルでアジアをリードしていきます。

また、ウポポイをはじめとしたアイヌ文化、北海道・北東北の縄文遺跡群世界文化遺産、知床世界自然遺産や国立・国定公園など本道の豊かな歴史、文化、自然の発信。さらに、ワインツーリズムなど豊かな食との組み合わせといった本道の魅力を体験できる観光を推進していきます。


応援団第二章

これまで、「ほっかいどう応援団会議」は約640の企業・団体、約1万3000人の個人の方々にご参加いただくなど、力強い応援をいただいてまいりました。2期目では、この応援団会議を第二章として発展させていきます。

本道の強力な応援団が「地域おこし協力隊」の方々です。全国で最も多くの協力隊の方が活躍していただいているのが北海道なのです。地域おこし協力隊の皆さまのため、新たに相談サポート窓口を設置するとともに、全道と各振興局でネットワークを構築します。短期間で協力隊を体験できるインターン制度の活用を促進するなど応募から任期後の定住までをトータルでサポートしていきます。

北海道のふるさと納税額は、市町村の皆様のご努力により3年連続で全国1位になりました。今後は、企業に対する事業提案力や営業体制を強化し、企業との共同事業を拡大していくなど、地域を応援する事業を創出していきます。

仕事と休暇を組み合わせた働き方「ワーケーション」等により、2021年度の道内のテレワーク施設などの利用者は約2万2000人で、前年比約9000人増と大幅に増加しました。

こうした流れを加速させるため、「北海道型ワーケーション」の魅力を磨き上げて、より一層推進するとともに、バーチャルイベントなど新たな交流の機会を創出しながら、「ほっかいどう応援団会議」の個人会員である「道ファン子」など関係人口を拡大していきます。

また、地域とともに考え、行動していくため、現場主義を徹底していきます。私が道内各地をお伺いし、皆さまの取り組みやご意見などを直接お聞きする「なおみちカフェ」や「スクラムトーク」を充実するとともに、デジタルの活用によって私自身が道内各地で機動的に働く「動く知事室」の実践など、これまで以上に積極的に皆さまのもとにお伺いさせていただきたいと考えています。

さらに、振興局独自の事業や人員配置を拡充など道庁のノウハウと人材を活用して個性あふれる地域づくりを支援するとともに、市町村の情報発信のサポート危機管理事案に機動的に対応する体制を強化していきます。

【おわりに】

北海道はいま、様々な課題や困難に直面しています。
これまでお伝えした「七つの主な政策」を軸に、私はこれからも道庁の職員と一丸となって立ち向かっていきたい。そして、政策の実現に向けて全力で取り組みたいと考えています。

道民の皆様の命と健康、暮らしをしっかりと守り抜く。
北海道の確かな未来を創っていく。そうした覚悟を胸に、その先陣を切っていく役割を担わせていただきたい。そして、これからも道民の皆さまとともに、直向きに、北海道をさらに前へ進めてまいる決意です。

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